HOME 戻る足と靴のお話し
   
足の形は十人十色で、「足の長さ」「足の幅」「足の形」など、ひとりひとり違います。また、同じ木型(靴型)を使用した靴でも、デザイン・素材・製法によって履き心地が違います。
 このコーナーでは、靴を選ぶときのポイントをご紹介していますので、ご参考にして下さい。
靴のお話し
靴のサイズ
 靴のサイズは、同じサイズ表示でも、デザイン・素材・製法によって少しずつ違います。
靴のデザイン
 靴のデザインにより、履き心地、サイズなどが変わってきます。
サンダルは、脱着が容易で通気性もありますが、つま先が開いているため、つま先を傷つけやすい欠点があります。足の保護には向いていません。
パンプスなどは脱着が容易ですが、紐靴のように甲で足を止める部分がなく、足先を締め付けて履くため、長時間歩くときには不向きです。特に、寸法や形がぴったり足に合っていないものは、足の変形を招くおそれもあります。
紐靴は、脱着がしにくい点がありますが、紐で調節し、靴の中で足を固定できるため、足が前に滑らず、つま先を締め付けません。また足全体を覆っているため、足の保護にも向いています。
人それぞれ好みや足の形が違うため、一概には言えませんが、紐靴タイプのような甲の深いものが良いと思われます。
靴の素材
当社で靴に使用している材料は、おおまかに分けると、牛革、人工皮革、合成皮革、塩化ビニールレザーの4種類で、それぞれにいろいろな特徴があります。
牛革
【長所】
上記に上げた4種類の中で、最も伸縮性、保温性、吸放湿性、耐久性があり、またそれが気温によっても変化しにくい為、足になじみやすく、蒸れにくく、靴材料に使う素材の中では理想の素材です。
【短所】
水に弱く、湿ると伸びたりカビが生じやすく、また1枚の革でも部分により材質が異なっているので、表面も中身も均一ではありません。その上キズが多い為、製造する際大変扱いにくく、革自体の単価も高い為、高価になるという欠点があります。
人工皮革
不織布の表面にウレタンフィルムを張り合わせたもので、構造的には牛革と同じ構造になっています。
【長所】
牛革よりも軽く、水や溶剤に強く、表面も中身も材質が均一で、一定の強さと伸びがあり、牛革には劣りますが、吸放湿性もあります。また化学製品なので、品質改良が期待され、次第に牛革に近づいてきています。
【短所】
耐久性、吸放湿性などが、気温によって変化しやすい素材です。
合成皮革
リヤスなどの布の表面にナイロンフィルムを張り合わせたものです。
【長所】
水に強く、安価で、表面には牛革とは全く違った柄・色などいろいろな種類のものがあります。
【短所】
牛革のような通気性、浸透性がなく、また強度の限界も牛革・人工皮革より劣ります。
塩ビレザー
合成皮革とおなじように、メリヤスなどの布の表面に塩化ビニールを張り合わせたものです。
【長所】
合成皮革より耐久性があり、お手入れが容易で、最も安価です。
【短所】
牛革のような通気性、浸透性がない素材です。
靴の底材
歩き始めると、片足に体重の約20%増しの重力がかかるといわれています。
当社では、EVAスポンジ合成ゴム軽量合成ゴムウレタンなどの底材を使用しております、EVAスポンジは上記にあげた4種類の底材の中で最も軽く、衝撃吸収性があります。合成ゴムは、滑りにくく、耐久性があり、またヒール部分を空洞にしているため、衝撃吸収性も優れています。軽量合成ゴムは、軽量のゴムを使用しているため、合成ゴムと同じ特徴で、より軽くなっています。ウレタン底は、最も耐磨耗性に優れ、軽い底材ですが、滑りやすいという欠点があります。そのため当社ではかかとにすべり止めのゴムをつけております。このような底材に衝撃吸収材などを組み合わせた商品もあります。また、衝撃吸収材でできたカップインソールを使用した商品もあります。使用場所、使用目的に合わせて、商品をお選びいただけるよう考慮しています。
ヒールの高さ
 靴を履いて立っているとき、ヒールがゼロの状態だとかかとに体重がかかりすぎてしまいます。そこでヒールでかかとを少し上げることで、体重は足裏に平均してかかるようになると同時に、踏み出す際にかかとを持ち上げる力も少なくなり、楽に歩くことが出来ます。また着地の際にもかかとを保護してくれます。デザインなどによっても異なりますが、一般的に人間の骨格に良い高さは、2〜3cmのヒールの高さが最適であるといわれています。
靴と床の関係
 硬質床と軟質床での違いは、足への衝撃、滑り具合など、いろいろな違いが考えられますが、先にも上げたような底の材料を重視した靴選びが必要になってくると思われます。
たとえば、固い床の場合では、少しでも衝撃を緩和する物、滑りやすい床の場合は、合成ゴムなどの滑りにくい物、また絨毯を敷いている床の場合は、つま先のほうは滑りやすく、歩いていてつまづきにくい物など、いろいろな床に合わせていただければよいと思います。
また、どのタイプの底にも、床の条件、歩き方の違いで個人差がありますが、音の出にくい素材を使用しています。
靴のお手入れについて
使用目的やデザインの多様化に伴い、靴に使われている素材は、種類が増えてきているます。ここでは甲皮(アッパー)に使われている素材ごとに、基本的なお手入れ方法をご紹介していますので、参考にしてください。
牛革
 ホコリや土をブラシやへらで落としてから、汚れ落としクリームで、汚れや古いクリームをきれいに落とします。つぎに、革の色に合ったクリームを薄くムラなく塗ってツヤをだし、その後に、柔らかい布(綿布など)で余分なクリームをふき取り磨きます。新しいうちからお手入れしておくと、いつまでも美しく保つことができます。
人工皮革
合成皮革
塩ビレザー

軽い汚れのときは、ホコリを落としてから、表面を水拭きしてください。靴を洗う時は、水につけて軽く湿らせてから中性洗剤などで洗い、汚れた部分はブラシで落としてよくすすぎます。その後十分に水分を切り、新聞紙などをいれ、靴の形を整えてから、風通しの良い日陰で完全に乾かしてください。靴を洗う回数が増えれば増えるほど、靴も痛みやすくなります。また乾燥が十分にできていない場合は、細菌やカビが繁殖する場合があります。

靴の交換時期
 交換時期に関しては、かなり個人差があるように思われますが、各パーツの傷み具合などで判断して頂ければ良いと思います。
参考までに、一番良い履き方は、2〜3足を毎日順番にまわして履いていただき、履いていない靴は、風通しの良い直射日光のあたらないところに保管していただければ、細菌やカビの繁殖を防ぎ、靴が傷みにくく清潔にご使用いただけます。

 

足のお話し

足の構造
 足は、28個の骨・筋肉・血管・神経などからできています。足の骨組は、全体重をささえるために足いくつかのアーチを形成しており、それらのアーチは、歩く時の地面からの衝撃を吸収したり、地面を蹴る時のバネの役目をしています。
また、足は心臓や脳から一番遠い位置にあるため、血液の流れや神経の伝達が届きにくく、歩く時の足の変化(伸縮)によって、ポンプの役目となり血行を良くしていることから,「足は第2の心臓」といわれます。
この他にも、足にはいろいろな構造があり、それぞれの機能と役割があります。
足の健康
 足には、心臓・胃腸・臓器などにつながる神経の反射点があり、それを刺激することで足の血行をよくして病気の治療を促進したり、健康や美容にもすばらしい効果があることが認められています。これらは、歩くことによって刺激を受けるので、歩かなかったり、歩き方が悪かったり、指・土ふまず・踵などの足の機能が、十分に行えないような状態にあると、健康に支障をきたすこともあります。
足の病気
合わない靴による足の病気には次のような病気があります。また、合わない靴を履き、姿勢や、血液循環を悪くして、関節や内臓などの病気になることもあります。
足の変形の中で一番多くみられ、母指が小指の方向へ折れ曲がってしまう病気で、これは細い爪先の靴などを長時間履き、足の母指に対する圧迫が主な原因だといわれています。
特に母指が第2指より長く薄い足の人がなりやすいとされています。
爪先の薄い靴を履き続けると、爪先が圧迫され、爪が変形します。ひどくなると、爪が肉に食い込んできたり、そこに菌が入ると「爪鞘炎」を起こすこともあります。
また、一度変形した爪はそのまま生え続けます。ほかにも、爪が螺旋状になってしまう「まき爪」という病気もあります。
爪先に十分な余裕のない靴を履き続けることが、原因といわれ、指の関節が折れ曲がったり、変形したまま固まってしまう病気です。

また、ここでご紹介している以外にも、靴ずれタコマメ魚の目水虫など、靴によって足になんらかの傷を、ほとんどの人が受けているのが現状です。